自分の目で確認するー自社工場の場合


 先日、東京の知人が関西まで仕事で来るというので、せっかくなので会おうということになりました。京都で仕事をするらしいので、それが終わり次第、大阪まで足を延ばしたら良いと言ったら、それ以上は動きたくないというので、こちらから京都まで行ってあげることにしました。

 大阪から京都までのJR東海道線沿いには、いくつか有名な食品メーカーの工場が点在しています。スーパードライのアサヒビール(吹田工場)やきのこの山の明治(大阪工場)、それにウィスキー山崎のサントリー(大山崎工場)などがわかりやすいでしょうか。特に、高槻市にある明治の大阪工場は周りの建物が少ないので、電車の中からでも工場の外観や雰囲気がよくわかります。

 変なクセでどこかにツッコミどころがないかどうか、敷地内をつい粗探しをしてしまうのですが、さすがにきれいに整備されていますね。あなたの工場はどうでしょう?誰かに外から写真を撮られたとしても、問題がない状態になっていますか?

 ということで、本日のお題は『自分の目で確認する』ことについて、2回に分けて考えてみます。1回目の今日は、自社工場についてです。

 時代の流れを考えた場合、工場の敷地の外から誰かが写真を撮って、それをブログやフェイスブック等のSNSに投稿される可能性があります。

 2013年5月には、店頭で製麺することで有名な丸亀製麺において、ざるうどんのザルの裏にカビが生えていたと、フェイスブックに投稿されて大きな問題になりました。たった一枚の写真が大きな問題になった例は枚挙に暇がありません。
 ISO・HACCPなどを取得した工場であっても、工場の敷地の外から写真を撮った時に、食品工場とは思えない光景に出くわしてしまうようでは元も子もありません。

 工場の中は許可がないと写真を撮ることはできませんが、工場の敷地の外からは自由に写真を撮ることができます。「撮られてしまう」と言った方が良いかもしれませんね。
 従業員スタッフ・納品業者・防虫防鼠業者などのいわゆる業界人が異常に思わないことであっても、一般人が外部から覗くと異常に見えることは多々あります。

・従業員の車が歩道などに止めてある
・従業員が白衣のまま出社してきている
・白衣のまま工場の外を歩いている
・白衣のまま従業員が車の中で昼寝をしている
・製品が直接地面に置いてある
・製品の出荷が雨に濡れたまま配送車に積まれている
・ゴミ箱が外に置かれたままになっている
・冷蔵庫のドアが外部から簡単に開けられる

 道端に咲く花はたしかにきれいで、見る者の気持ちを和らげます。しかしながら、同じ花が食品工場の敷地内に咲いていた場合はどうでしょう?見た目にはきれいかもしれませんが、「虫を呼んでいる」という観点からは異常なことだと私は思います。
 あなたの工場では、第三者が敷地の外から工場を見た時に、おかしいと思われることはないでしょうか?今の時代、どこで落とし穴が待ち受けているかわかりません。寝首を掻かれることのないように、全方向にアンテナを張りめぐらしておく必要があります。

 入社したばかりの新入社員の時には、おかしいと感じていたことも、「風景化」してしまうとあたりまえの状態になってしまいます。
 出勤時に履いて来た靴と、工場内で履く靴が同じ下駄箱の同じ場所に置いてあっても、違和感を感じなくなってしまうのです。白衣のまま、外でタバコを吸っていてもおかしいとは思わなくなってしまうのです。
 食品工場として、衛生管理以前にやってはいけないことがあなたの工場で行われていないか、第三者の目で工場内を確認してみてくださ
い。

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