原価管理は誰がやる?


 会社やお店を経営には、毎月の売上そして毎年の売上アップは至上命題であり、コスト管理もまたしかりです。せっかくお風呂にお湯を流していても、栓が抜けていては一向にお湯は溜まりません。それどころか、(抜けてるスピードの方が速いので)やがてはお湯がなくなってしまいますね。
 食品の製造においても、まったく同じことが言えます。数値管理は経理に任せきりにしていてはいけません。そもそも、品質管理の目的は製造上の『ムリ・ムラ・ムダ』を省くことです。

 ということで、本日のお題は『製造現場における原価管理』について、です。

 工場には、色々な数字が落ちています。
 売上、変動人件費(生産量に応じて変化する人件費)、固定費(生産量で変化しない人件費など)、物流費、保管費(外の冷蔵庫に製品、原料を保管した場合)、電気代(ユーティリティーに関する経費)、衛生費(洗剤、薬品、)、消耗品費、作業服洗濯代、検査費用(細菌検査、理化学検査)、事務費、通信料など、挙げればキリがないくらい出てきますね。

 収支をわかりやすくするためには、月末に合わせて数字を把握するのが一般的です。そうすることによって、毎月の比較がカンタンになり、正しく工場が運営されているかどうかを判別することができます。

 たとえば、衛生費を働いている人数で割れば、一人あたりの衛生費がわかります。衛生費が少なすぎれば、現場の洗浄が不足していることになります。逆にそれが多ければ、洗浄方法にムダがあるという結論になりますね。

 また、新商品を設計する際にも、「原材料の原価を40%以内に抑える」、というざっくりとした設計をするのではなく、変動人件費などの勘定科目毎の明細をきちんと設定したうえで、月単位で商品毎に設計通り仕上がっているかどうかの確認が必要です。

 手洗い洗剤の量を毎日把握することで、従業員の方が、毎日確実に手を洗っているかどうかを確認することができます。家のうがい薬や石けんも同じですよね。減った分が少ないということは、それだけ使っていないということです。これを把握するのはさほど難しいことではありません。手洗い洗剤を補充した量を把握するだけで管理できます。
 あるいは、包装フイルムの歩留まりを把握するだけで、包装工程の管理状況を把握することができます。通常なら95%になる包装資材の歩留まりが、80%になっていれば、包装不良品が多くなった証拠です。包装機のトラブルを疑いましょう。

 このように、日常的に様々な数字を把握することは、経費削減のみならず品質管理の向上にも必須の作業なのです。

点検のポイント
1. 月単位で、勘定科目上の数値を把握しているか
2. 商品設計時に、勘定科目上の数値を計算しているか
3. 日常的に数値を把握できようになっているか

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