「日付のミス」は忘れた頃にやってくる


 先日、最寄り駅の階段で突っかかって倒れそうになってしまいました。理由などなくて、自分でも「なんでここで!?」と感じてしまったくらいです。いつもあたりまえのように行っている何気ない動作が、ふとした瞬間にできなくなる時ってありますよね。
 実は、食品の品質管理においても似たようなことは起こるんです。

 ということで、本日のお題は『日付のミス』について、です。

 「日付ミス」はどこの製造現場においても悩みの種だと思います。ゼロを目指すべきではありますが、なかなか撲滅するのは困難です。かといって、発生ベースで対処していてはそれに振り回されるばかりです。この時世、「危機管理ができていない組織」として槍玉にあげられます。
 賞味期限の印字ミスなどの日付に関するミスは、毎日のように新聞等に掲載されています。
 それを「他人事」として済ますのか、それとも「他山の石」としてそこから教訓を得ようとするのかでは、雲泥の差がありますね。あなたの組織は、ぜひ後者であってほしいと願っています。

 日付チェックのタイミングは、次の3回が考えられます。
・日付をセットした時
・包装材料に印刷した時
・出荷判定をした時

 そして点検の際は、一人だけでなく、二人目・三人目が何重にも確認することが大切です。帳票は、それぞれ白紙の状態で点検を行うのが良いです。初めに貼った帳票を製品といっしょに回して使っている製造現場もあるかと思いますが、一度点検されている帳票を見ても、なかなか間違いに気づきにくいものです。

 それぞれのタイミングでのポイントを確認していきましょう。

≪日付セット時≫
 活字を拾って入れた時やインクジェットの画面を操作した時に、内容が合っているかの目で見て確認を行います。
 インクジェットなどは、画面と同じ帳票を作り、きちんと合っているか一目で見てわかるようにしておきます。

≪包装材料に印刷した時≫
 ここが一般的に最も多いタイミングではないかと推察します。包装材料に印刷された一番初めの印字を切り取り、帳票に貼って確認します。特に、活字タイプの場合は、活字が途中で落ちてしまう可能性がありますので、包装作業の初めと終わりに確認することが必要です。
 またフイルム交換時・インクリボン交換時・インク補充時等、折に触れて印字が欠けてないかの確認も行ってください。

≪出荷判定時≫
 最後の砦です。ダンボールや麦稈(番重)などに入れた後に再点検を行います。包装材料が合っているか、日付が合っているかを確認します。最終製品をロット毎に出荷判定を行い、それに合格したものだけを出荷するようにします。
 具体的には、製品保管庫の中に、出荷判定前と出荷判定後でエリア分けし、出荷判定が終わるまでは、出荷を行わないようにします。
一旦、ダンボールに詰めてしまうと、中の製品が確認できないケースもあろうかと思います。しかしながら、ガムテープを剥いででも確認をすべきだと私は思っています。
 私がお伺いしたある工場では(プリンを製造)では、ダンボールの表面をくりぬいて、外から日付が確認できるようにしていました。

 創意工夫とはこういうことを言うんだなぁと感心したのを覚えています。日付ミスを仕方がないことと諦めずに、自社の製造現場でも何か対策できることはないか、トライ&エラーで模索することが肝要です。

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