おみやげと製造場所のお話


 空港や新幹線の駅に行くと、所せましとたくさんのおみやげが売られています。ゆるキャラブームの影響もあって、それぞれのおみやげにも、キャラクターのイラストが印刷されていたりしますね。そのおみやげの一括表示を見てみると、「販売者 〇△製菓 U」のように末尾にアルファベットや記号が入っていることがあります。この記号は何を意味するんでしょう?

 ということで、本日のお題は『製造所固有記号』について、です。

 ご存知の方もいらっしゃると思いますが、この記号は「製造所固有記号」と言います。この記号を付けることで、販売者の工場で作っていなくても、製造者表示に変えることができます。製造者固有記号は、販売者と製造者がそれぞれ消費者庁に届け出れば使用することが可能です。(詳しくはコチラ)

 これは、熊本の空港で売られているおみやげの表示が『販売者 熊本製菓 G』のようになっていた場合、実際は他府県で作られていることもあり得るということです。仮に、くまモンのイラストが印刷されていたとしても、製造は埼玉県で原料は中国から輸入しているといった具合です。

 とはいえ、くまモンが付いていたら、地元の材料を使って熊本で作られたおみやげだと思ってしまいますよね。
 逆のケースもあって、売っている側でさえ把握してなかったりするんですよ。たまに駅の改札前やデパートの中で催事ってやってますよね?期間限定で出店しているやつです。
 北海道から来ました!って言ってるのに、商品のチーズケーキ(北海道のマークが描いてあっていかにもそうらしい)の裏面表示を見てみると、製造者住所が栃木県になっていたことがあったんですよね。
 まぁわかってはいましたけど、試しに店員さんに聞いてみたんです。栃木県で作っているの?って。そしたら、いえ北海道です!と言う。ぜーんぜんわかってないんですよ(笑)おそらく彼は、北海道の業者から販売を委託されているんでしょう。売るのが目的だから、どこで作られているかなんておかまいなしなんです。

 私は流通の仕組みがわかるし、その辺の事情も理解できるから良いんですけど、消費者目線で考えてそれで良いのかなって思いはあります。せめて、説明できるくらいの知識は持つべきなんじゃないかと感じました。

 このことは日本に限ったことではなくて、アメリカで買ってきたおみやげのぬいぐるみが中国製だったということはよくある話です。
 長野で買ったおみやげの野沢菜が、実は中国産だったりしますから。商品に『名物 山菜』って書かれていたら、ぜんぶそこで取れた山菜だと思いますよね。実際は、中国産の山菜を瓶に詰めただけだったり、 他の土地の工場で製造された山菜セットだったりするわけです。

 私は、一つのメーカーが複数の工場を持っているときに、包装材料などの有効利用のために製造所固有記号を使用することは合理的なことだと思います。しかしながら、製造工場を持っていないメーカー(企画会社など)が、自社で製造しているように見せるための固有記号の記載は避けるべきだと思っています。
 そこはしっかりと、販売者と製造者両方を併記するべきではないでしょうか。だって、実際の流通ってそうですからね。

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