その産地表示って、ほんとに合ってます?


 先日帰省した際にふと気になったことがあったので、それについて掘り下げて書いてみます。まぁ、「道の駅あるある」と言ったらわかりやすいかもしれませんね。よくある話ですよ。

 ということで、今回のお題は「産地表示」について、です。

 ご存知の方も多いと思いますが、私の地元(千葉県)は全国有数の農業県です。平成28年の農業産出額は4,711億円で全国第4位!(上位には僅差で茨城県、鹿児島県です)。そのなかでも、日本梨・落花生・ネギなどは全国第1位の品目になっていて、米・花き・畜産なども全国上位にランクインしています。
 私の家の周りは田んぼばかりですからね。ちなみに、お米の産出額は666億円で全国第8位です。首都圏では、茨城県に次いで多い地域です。道の駅などに行くとその強みを生かした、「地産地消」型のおみやげや加工食品がたくさん販売されています。地域特有の商品って楽しいですよね。私は好きなんです。

 道の駅に寄った際、焼きたてパンのコーナーをたまたま通りかかったのですが、「千葉 米粉パン」と表示している商品がありました。POPには「米粉10%、小麦粉90%配合」と表示してあります。想像してほしいのですが、消費者の立場でこの表示を眺めたときに、使用している米粉・小麦粉はどこの産地だと思います?

 「千葉」と商品名につけた場合は、「千葉」の単語が強調されることになります。「千葉県で製造し、千葉県産の米粉・千葉県産の小麦粉を使用したパン」ということです。これってホントなんでしょうか?
 米粉だけ千葉県産なのであれば、「千葉県産米粉使用パン」「米粉10%、小麦粉90%配合」と記載しなければなりません。より厳密にいえば、原材料の表示は使用量の多い順に記載するのがルールです。ですから、「米粉10%、小麦粉90%配合」ではなく、「小麦粉90%、米粉10%配合」が正しい表示となります。

 製造者の立場で[表示」を捉えてしまうと、「小麦粉が千葉県産であるわけがないだろう」という思い込みが生じます。あるいは、千葉県産の米粉を使用しているなら問題ないだろうと、自分の都合の良いように考えてしまいます。
 しかし、消費者の立場からすればどうでしょう?おみやげコーナーで売られている物は、千葉の食品工場で製造し、原料もすべて千葉県産の物を使用している商品だと思って購入してしまうのです。もし、購入した後から、小麦粉は輸入品で製造しているのが神奈川県の工場だとわかったら、産地偽装ではないかと思ってしまうのです。(製造者にそんな意図はなくても)

 日々の製造作業において、冷静に消費者の立場で[表示」を確認することはなかなか難しいかもしれません。判断に迷った時には、その商品をぜひ、あなたの家族や知人に見せてみてください。一般の方がどのように思うのか、きっと良い気づきを与えてくれるでしょう。

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