食品工場・飲食店での大掃除のポイントとは?


 ちょうどいま大掃除をしているところなんですが、隅々までチェックしてみると、ホコリや汚れってまぁ溜まってるもんですね。裏返してみたら、真っ黒やん!ってびっくりしてます。「腹黒い」ってこういうことなんですよね(笑)なので、普段は拭いて終わりのところを、物をどかしてみたりフィルターを外してみたりと、目に映らない裏側の部分まで掃除していますよ。一般家庭であれば、これで合格ラインなんでしょうけど、食品の製造工場や飲食店のキッチンではその先の工程があります。

 ということで、本日のお題は「殺菌」について。

 清掃ができたら、洗浄そして殺菌へと進むわけですが、殺菌が充分にできていなかったために起こる事故ってありますよね。商品の「腐敗」がそうです。特に今の時期のような繁忙期になってくると、普段ならできていたはずなのにおざなりにしてしまうことがあります。私の経験では、風邪で欠員がでたために通常4人でやるところを3人でまわしていたケース、出荷時刻に間に合わせるために殺菌工程の時間を短縮せざるを得なかったケースなどですね。
 生産設備の洗浄殺菌ルールをきちんと決めていても、きちんと運用されていなかったら意味がありません。上記はその典型例です。単純に抜け落ちてしまった場合もありますが、生産時間に追われて作業担当者が手を抜いてしまう場合もあります。そうならないために、加熱殺菌機などにボール等の備品を入れた場合、加熱殺菌時間に到達しなければ、殺菌庫のドアが開かないようにするなどの物理的な工夫が必要です。

 塩素殺菌・除菌洗浄剤などをシンクに溜めて、そこに備品類を漬け置き殺菌することがあります。この際は必ず帳票を作成し、殺菌の開始時間・終了時間、作業担当者の記録をつけてください。漬け置き殺菌を行う場合は、備品類が確実に漬かる大きさの入れ物を用意します。点検に伺った際、バケツに入りきらず器具の半分がでてしまっている工場がありましたが、これでは何のためにやっているかわからなくなってしまいます。浮いてきてしまう備品については、浮いてこないようにする工夫が必要です。
 それと、塩素殺菌を行う際のポイントがあって、タンパクを完全に洗浄してから塩素につけないといけません。ケガをしたときにできる、かさぶたってありますよね?それと同じようにタンパク質も放っておくと固まってしまうんです。そうすると、かさぶた状になって覆われた部分が殺菌が行われないことになります。
 また、アルコールに漬ける場合は、洗浄後に備品をすすいだ水が入り薄まる可能性があります。アルコール濃度が殺菌に充分な値に達しているかどうかの検証が必要です。

 落とし穴は色んな箇所にひそんでいます。「うちは関係ない」「業者に任せているから大丈夫」と思わずに、本当にそうなっているか、一度考えてみてくださいね。その積み重ねが品質を高め、売上を伸ばす土台になるのですから。

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