内部通報システムの整備

コロナの感染拡大が続く中、2020年6月に『改正公益通報者保護法』が成立しました。この法律は企業の不正を通報した人の保護を目的として、2004年に『公益通報者保護法』が制定されたわけですが、たびたび機能不全を指摘されてきました。今回の改正では、企業の内部通報に関する体制の整備を義務づけや、担当者が通報者の情報を漏らさないよう刑事罰付きの守秘義務が設けられています。

組織の自浄作用を促すためにも、組織が大きくなるに連れて、内部通報の仕組みづくりは必須条件と言って良いでしょう。ということで、本日のお題は『内部通報システムの整備』についてです。

いつでも通報できる体制

内部告発者というのは、危険を察知して警笛を鳴らす存在で、野球やサッカーでいう審判の役割です。スポーツの競技がスムーズに行われるために、各競技団体はルールブックを毎年改訂しています。それと同様に、食品工場のルールブックもまた、毎年の法律改正や社会環境の変化を受けて改訂され、働く人たちに周知されるべきです。

笛を吹くのは、品質管理部門などの特定の人ではなく、共に働いている人たち誰もがルール違反をした時には笛を吹ける環境を整備する必要です。笛を吹くタイミングは、ルール違反を見たその瞬間です。

退職してから「あの会社は実はこうだった」と後で笛を吹くのは、好ましい笛の吹き方とは言えないでしょう。(恨みに駆られて感情が先走ってしまう場合もある)

内部告発者を守る

告発しようとする人は、相当の勇気を振り絞っています。その行動の結果、自分の立場を悪化させて周囲に迷惑をかけてしまわないか、不安な気持ちと常に戦っているはずです。

笛を吹くのは、まずルール違反を見かけたその時です。笛を吹いても改善されないなら、自分の上司や相手の上司に報告します。それでも直らない場合は、上司の上司に報告するわけですが、それでも直らないときにどうしたらいいかのルールを設定し、従業員に周知徹底する必要があります。

理想は、外部の民間機関にホットラインを設置することです。従業員から告発があった際には、民間機関が公正に事実関係を調査できる体制の整備です。外部の協力を得ることで通報者の秘匿はできるでしょうし、告発者も含めて風通しの良い組織ができるのです。

今日のポイント

1.内部通報に関するルールが具体的に設定されているか
2.ルール違反を見つけた時の報告の流れが定まっているか
3.社内で解決できない時の通報先が明確になっているか

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