「ほう・れん・そう」を浸透させよう

今年、社会人になられた方にとっては、あっという間の1ヶ月だったのではないでしょうか?私も当時を思い起こすと、耳にするモノや体験するコトが常に新しいことばかりで、正直何が何だかわからない状況でした。
入社式の後はすぐに座学の研修が始まるのですが、ある役員の方がおっしゃっていたのは、まずは「ほう・れん・そう」をきちんとやりなさいという事でした。

報告・連絡・相談、それぞれの頭文字をとってそう呼ぶのはご存知の方も多いかと思います。新卒入社の小僧だった私は、ふーんという感じで聞いていましたが、今となっては組織の大小問わず、非常に大切な考え方であると痛感しています。

ということで、本日のお題は『「ほう・れん・そう」の浸透』について、です。

良くない情報ほど早めの共有化する

クレームやトラブルなどは、従業員だけでなく、役員に対して包み隠さず伝える事が大切です。JR東日本では運行トラブルがあると、携帯メールを活用し経営層まで連絡がいくそうです。
企業によっては、LINEの様な相手が読んだかどうか把握できる「既読」のような機能がついた情報伝達ツールを使用している所もあるでしょう。そうする事で、「聞いていない!」と言う二次的なトラブルを防ぐことができるようになります。
役員の中には、大きなトラブルになった時に「なんで発生した時にすぐ伝えてくれなかったんだ」と、後出しじゃんけんのように言われる方がいます。そうならないように、配信の際は必ず発生時の一報だけではなく、途中経過を含めた二報、三報、解決までのこまめに配信する必要があります。

ワイングラスの考え方

ワイングラスに注ぐワインを、クレーム・トラブルと考えてみましょう。同じように、ワイングラスの底板を従業員・役員と想定します。
ところが、ワイングラスの芯棒は詰まっているので、自社でのクレーム情報などを共有化しようとしてもグラスの底板まで届きません。つまり、相手には伝わらないということになります。
それでは、ワイングラスでは無く、焼酎のお湯割りを飲むグラスに替えてみたらどうでしょうか?注ぐと直ぐに、グラスの底まで情報が伝わることがわかると思います。
このワイングラスの考え方で、会社の体質を説明ができます。2000年代始めに発生した、三菱自動車のクレーム隠しの事例を覚えていらっしゃいますか?車のリコール対象になるようなクレームや不良情報を経営層に伝えず、ロッカールームの中に隠していたのです。もし、情報の共有化が行われていれば、クレームの実態を知った人間が必ず対応を行ったはずです。

良くない情報ほど透明性を持って速やかに伝えられる仕組みと、何かあったら「報告・連絡・相談」という基本的な姿勢こそ重要な事なのです。良い情報は伝えなくても、数字(売上やロス率など)に表れやすいので、放っておいてもかまいません。しかし、良くない情報を隠してしまうと、事態はますます悪化してしまう恐れがあるのです。言いづらい事こそ言える職場づくりも、品質管理のレベルを向上させるうえで欠かせない要素なのです。

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