正しいクレームの伝え方

世の中には一定数、クレーマーが存在します。度が超すと「モンスタークレーマー」なんて呼ばれ方もしますが、要するに輩(やから)です。企業からすると、うっとおしい存在でしかありません。

しかし、企業からすると「クレーム」というのは、品質を守り高めていくための宝の山になる可能性を秘めています。実は、後の商品開発のヒントになったというケースもあるんですね。

一般消費者にとって、「苦情を伝える」という行為はつい感情的になってしまいがちですが、落ち着いて現状と気持ちを伝えることで更なる改善につなげることができます。なぜなら、同じ気持ちを抱えている人はあなた以外に他にもいるかもしれないからです。どうせなら、クレームを有益な情報に変えたいですよね?

ということで、本日のお題は「正しいクレームの伝え方」について、です。

苦情を前向きに伝えるポイント

こちらの気持ちが相手に伝わらなければ、単なるストレスのはけ口になってしまい、お互いの健全な発展は望めません。苦情はあくまでもコミュニケーションの一環で、窓口の相手も同じ人間です。感情論にならないためのポイントを3つ紹介します。

ひと呼吸置く

気持ちはわかりますが、怒りにまかせた一方的な発言は逆効果です。まずは深呼吸して、相手にたいする思いやりの気持ちを持ちましょう。

言いたいこと・伝えたいことを明確にする

「腹が立つ」「誠意を見せろ」「ふざけるな」・・・これでは何がなんだかわかりません。商品の返品したいのか、交換してほしいのか、あるいは欠陥商品のせいでケガをしてしまったので治療費を補填してほしいのか。相手にどうしてほしいのか、ハッキリと伝えましょう。その際、理由を明確にして、ゆっくり丁寧に伝えることが大切です。

相手の説明も聞く

あくまでもコミュニケーションの一環ですから、相手の説明もきちんと聞きましょう。もしかしたら、製品の欠陥ではなくあなたの勘違いかもしれません。

商社マン時代に、「豆腐の中に銀紙が入っていた。どういう管理をしているんだ!」という申し入れがありました。現物を回収し分析をした結果、銀紙ではなく魚のウロコだったことがわかりました。それを元にあらためて尋ねてみたところ、その日の夕飯のおかずはタチウオのお刺身だったのです。

振りかざした拳は降ろすべき

相手が詫びてくれた時点で、振りかざした拳は降ろしましょう。あなたの要望に応えてくれたなら、それで一件落着です。また、こちらの勘違いであった場合は、素直に非礼をお詫びしましょう。

そして、行き過ぎた言動や行為が犯罪になる恐れがあることを忘れてはいけません。「土下座して謝れ!」というのは強要罪であり、「相応の品をよこせ!」というのは恐喝罪です。

まとめ

お客さまは神様ではありません。神様のように扱う企業の姿勢にも問題があると思うし、神様のように振る舞う消費者の態度もまた問題なのです。あなたの苦情が貴重な意見となって次のステップにつなげてもらうために、「がんばってほしい」という気持ちを込めて前向きに伝えましょう。

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